53㎏級で出場した13年と14年は、14年の全日本選手権と世界選手権のトータル197㎏がベストで、目標にしていた日本記録更新にはほど遠い結果に止まった。三宅は「それが悔しくて、もうロンドン五輪のメダルのことは忘れている」と言う。昨年11月の世界選手権は国別の出場枠獲得もかかっていたため、本職の48㎏に出場して193㎏で銅メダルを獲得し、女子4枠獲得に貢献した。だが今年に入ると練習に気持ちが入り過ぎたか、「痛みが出ても止める勇気が持てなかった」と左膝を負傷し、腰も痛めた。そのため5月21日の全日本選手権では53㎏級に出場したが、スナッチとクリーン&ジャークを1回ずつ挙げるのが精一杯で、トータル165㎏に止まる4位と、表彰台さえ逃した。
だがそれで逆に冷静さも取り戻した。「這い上がれるか這い上がれないかは、これからの選択で変わってくる。選択肢を間違えないようにしたい」と。
ここ3年の世界選手権48㎏級の優勝記録は、13年が199㎏で14年は194㎏、15年は198㎏とロンドン五輪の優勝記録の205㎏を下回っている。だが本番になれば、トップは200㎏に乗せて来る可能性は高い。その中で三宅は、長年目標にしているトータル200㎏にどこまで近づけるかがカギだ。
そのためにはロンドン五輪でスナッチ83㎏、クリーン&ジャーク108㎏だったスタートの重量をどのくらいにすることが出来るか。さらにはロンドンのクリーン&ジャーク3回目で失敗した113㎏を差し挙げられるか……。
そんな挑戦が出来て自己記録を1㎏でも上回った時、三宅の4年間の挑戦は報われるのだろう。
(文・折山淑美)