そうした中で収穫を挙げるとすれば、まず第1はターンオーバーの考え方だ。今年1月のカタール・ドーハで行われたアジア最終予選では23名の選手を登録できたため、試合ごとに選手を交代できた。しかしリオ五輪の選手登録はOA枠を含めて18名。そして今大会は20名の登録枠だったものの、DF奈良と亀川の負傷離脱により奇しくも五輪と同じ18名による選手のローテーションになった。

 4試合目となったイングランド戦では、コントロールタワーである大島僚太(川崎F)にもイージーなパスミスが見られたように、中1日や2日の連戦はかなりのハードワークと予想される。五輪会場のマナウスやサルバトールといった熱帯地域では、90分間プレーさせてから次の試合で選手交代をするのではなく、1試合の状況に応じてハーフタイムに交代させることなども考えなければならないだろう。

 その必要性をシミュレーションできたこと、そして遠藤を始めとして不在選手の必要性を実感できたことは、トゥーロン国際大会に参加したことで手倉森監督も結果は伴わなくても実感したことだろう。残る問題は決定力不足だが、これは五輪代表に限らず日本サッカーの永遠の課題だけに、いまは「シュート練習を繰り返すしかない」と言うしかない。

(サッカージャーナリスト・六川亨【週刊サッカーダイジェスト・元編集長】)

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