まずは、もちろんキラウエアである。火口は常に煙を上げ、活動がはげしくなると赤い溶岩を吹きあげる。ここでは火口付近に近づくことは難しいが、周囲に広がる黒い大地を目にすれば、ハワイアンたちが感じていたような畏怖と、マナの力を感じることができるだろう。
また、キラウエアのそばには、いくつもの溶岩チューブ(流れる溶岩の中と外の温度差により中が空洞となってしまった場所)が残されている。日本にも富士山などの近くにあるが、ハワイ島ではこのチューブの中を歩くことができるのだ。そういえば、日本で有名なスピュリチュアリストが、このチューブの出口付近を世界一のスピリチュアルポイントだと指摘して一躍有名になった。それ以前から、ハワイアンの間では有名なパワースポットのひとつではあったのだが。
●ハワイの神を祭るヘイアウとは
日本でいう神社のような場所も残されている。ヘイアウと呼ばれる聖地であるが、その多くは破壊され原型を留めていない。グレイトウォールと呼ばれる民地との境目に作られた壁が残るばかりであるが、プウホヌア・オ・ホナウナウ国立歴史公園では、1961年に神像や2分の1サイズの神殿模型などが復元され、現在もこれらを見ることができる。
このプウホヌア・オ・ホナウナウ・ヘイアウは、罪を逃れるための駆け込み寺的な場所であり、ハワイ王朝を作ったカメハメハ大王が寵愛したカアフマヌ女王が逃げ込んだという逸話も残されている。
プウホヌア・オ・ホナウナウの神殿には、ティキ像などの神さまの像が建っている。このティキ像、ハワイみやげとして空港などでもみられるが、ハワイ固有のものではなく、広くポリネシアン文化圏に広がる概念で、いろいろな神さまの姿を代表的な形として表したものなのだそうだ。
ティキ像の他にも、神殿にはクー、ロノなどの神さまの像も建てられている。ただ、どの神の像も宇宙人に見えてしまうのは…気のせいだろうか?
●ハワイ島の本当のパワーとは
日本人が多く訪れるハワイだが、ハワイ島にまで来る人はそのうちの10パーセント程度なのだそうだ。かつ、そのほとんどの目的はゴルフと釣り。かくゆう私も過去の滞在の多くの時間はゴルフをして過ごした。
ハワイ島にはこんな言い伝えがある。
──度々来る人は何度でも来る。1度きたら2度と来ない人も多い。
その理由を、数多くのスピュリチュアリストたちはこういう。
「ハワイ島は自分の持つ力を増幅するパワーを持つ島。ポジティブな力、クリエイティブな力も大きくするが、ネガティブな力も増大させる。嫉妬や憎悪、否定的な考えも滞在中に増幅させるため、良い思い出ばかりな人と嫌な思い出ばかりが残る人と両極端になりやすい」と。
今年、羽田からハワイ島への直行便の就航も決定した。就航は10月以降の予定だが、ますます近くなるハワイ島のパワーをぜひ一度体験してみてほしい。(文・写真:『東京のパワースポットを歩く』・鈴子)