●鬼の姿は鬼門につながる
日本人は「鬼門」の方角をとても気にする。どうやらこれも日本独特の考え方らしい。悪いものが入り込みやすい角、という意味の「鬼門」だが、どう鬼が関係しているのか。 日本人なら、鬼の容姿に欠かせないものとして、虎柄のパンツとツノ、金棒をまず考える。さて、鬼門(北東)の方角だが、十二支で言うと丑と寅(艮の方角)。牛のツノと虎柄である(金棒も実は意味付けがあるが長くなるので省略)。反対の裏鬼門(南西)だが、申(今年の干支)と未(坤の方角)。このため鬼門除けとして対角に位置する猿を使うことがよくある。
鬼退治に出かける桃太郎のお供が、猿・鳥(キジ)・犬(申・酉・戌)なのは、まさに鬼門と正反対の方角を司る動物であったからにほかならない。なんで羊じゃないのかといえば、きっと当時日本には羊がいなかったからだろう。実際、最近は鬼門に羊の石像などが置かれ始めている。
(筆:『東京のパワースポットを歩く』・鈴子)