アジアゾウ「姫子」と合格お守りを手にエールを送る山成さん。姫子の“ウン”で合格なるか
アジアゾウ「姫子」と合格お守りを手にエールを送る山成さん。姫子の“ウン”で合格なるか
今季からレッサーパンダの「運粉お守り」も開発(手前)。かわいらしいイラストが何とも言えない
今季からレッサーパンダの「運粉お守り」も開発(手前)。かわいらしいイラストが何とも言えない

 大学入試センター試験が始まり、いよいよ受験シーズンも本番。受験生だけでなく、周りの人たちも万全な備えで臨みたい。そんな受験生たちの合格を動物の“ウン”で後押ししようと、姫路市立動物園(兵庫県姫路市)がお守りを配布している。

 それは、同園で飼育しているアジアゾウ「姫子」(39歳メス)のふんから作った「合格お守り」だ。2011年からサポーター限定で配り始めたところ人気となり、今季はレッサーパンダ、「ひなた」(6歳オス)と「ミホ」(2歳メス)のふんを砕いた「運粉(うんこ)お守り」も製作した。同園に一口1000円以上を寄付してサポーターになれば、1人につきどちらか一つのお守りが無料でもらえる。

 なぜゾウのふんなのか。園によると、11年当時、電車用の「すべらない砂」や受験生向けのお菓子といった“縁起物”が話題となったこともあり、「ゾウ舎の溝に落ちない姫子」の体内で運気を養ったふんでグッズを作ろうと考え出したのだという。

 ゾウ舎の周りには、幅約2メートルの溝があるのだが、姫子は「一度も落ちたことがない」(同園スタッフ)。先代のゾウは落ちたことがあったというだけに、珍しいのかどうかは別にして、姫子が「落ちていない」のは確かのようだ。

 合格お守りは、園のスタッフが約1週間かけてせっせと手作りする。ゾウのふんは繊維質が多いため、掃除の時に集めたよりすぐりのふん(直径約15センチ)から未消化の干し草成分を取り出して塩素で消毒し、他の材料と合わせて紙すきをして、五角形の紙を作る。その紙に「合格」と書かれただけのシンプルなお守りだが、見た目以上に手間がかかっているのだ。

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