あけましておめでとうございます!
2016年、ことしの干支(えと)はサル。十二支の9番目で「申」と書きます。十二支とはもともと農作物のサイクルについて表したもので、申とは成長した実が固まりつつある時期のこと。これをわかりやすくするため、発音をもとに動物の名を当てたのです。
そしてまた、「猿=去る」ともいわれます。病が去る、災いが去る、厄が去る……なんだかダジャレのようですが、日本人は昔から「言霊」というものの存在を信じ、年中行事や習慣のなかに取り入れてきました。例えば節分に豆を投げるのは「魔を滅する」という言葉に、穀物(豆やコメなど)信仰が合わさったもの。お寺や神社でのおさい銭は、五円=ご縁にちなんだ額。そして申(さる)年は、災厄が去ってくれるといいます。
縁起が良いとされる申年について、日本各地にさまざまな言い伝えがあります。
「申年に赤い服を身に着けると病が去る」
「申年に赤い肌着を贈られると、将来も下の世話にならないですむ」
「申年に赤い下着を4枚贈られると、死(4)が去る」……。
どれも、申と赤の組み合わせです。なぜなのでしょうか?
赤とは、さまざまな色のなかでも、とりわけ鮮やかで、印象的で、明るいものです。さらにこの「あかるい」が赤の語源になったのではといわれています。赤信号、商品の広告、消防車……と、人に注意を促す場面でよく使われているのは、このためです。
その鮮明な「赤」には、穢(けが)れを祓(はら)い、厄を落とす、魔よけの効果があるとされてきました。
古代の日本では、土偶や埴輪(はにわ)に赤い顔料を塗っていました。これが「お化粧」のはじまりだという説もありますが、赤には災厄を打ち破る呪術的な意味があると日本人は信じてきたのです。