そして、お風呂に入るのはカピバラや猿だけではない。競馬で走る馬の研究やリハビリを行うJRA競走馬総合研究所常磐支所(福島県いわき市)では、馬が温泉で療養する姿を見学できる。
支所では、1963年の開設と同時に、馬の温泉療養を始めた。常時、JRAに所属する25~30頭ほどの馬がリハビリを受けており、日曜と元旦以外は、毎日午前9時~午後5時まで、無料で見学を受け付けている。その際に、細長い専用風呂に入浴する馬が見られる。
獣医師で、14年3月に赴任した石川裕博支所長によると、浴槽が狭いため、最初は入るのを嫌がる馬もいるが、1回経験するとお風呂好きになるそうだ。いつの間にか眠ってしまう馬も多いという。石川さん自身も、「実際に温泉につかりながら眠る馬を見て驚いた」と話す。
温泉による馬の治療効果については、血行を良くする、筋肉痛の解消といった肉体的な効果の他に、心拍数を下げる、つまりリラックスできるという精神的な効果も、科学的に証明されているそうだ。リラックスするあまり、お湯を飲む馬もいるという。
カピバラとはひと味違った動物の入浴を見たい人は、足を運んでみてはいかがだろうか。温泉療養の他にも、水を張ったベルトコンベヤーに馬を載せて全身運動をさせる「ウォータートレッドミル」や馬場の400メートルトラックでの調教など、いろいろなリハビリを見学できるので、お得感がありそうだ。
何かと慌ただしい年明け、お風呂につかる動物を見て、心をほっこりさせてみてはいかが?
(ライター・南文枝)