「おいしい。香りが口の中にすごく広がる。落ち着きますね」(音無さん)

「独特の、すっきりするような味がするね。香りが鼻に抜けるから、とてもいいね」(村井さん)

 ふたりともリラックスできた様子。日本からの移動の疲れを癒やすのにぴったりのスポットかもしれない。

 続いて向かったのは、ハノイ名物「チャーカー」の専門店。実は日本ではあまり知られていないが、チャーカーは通りの名前になっているほどの名物だ。ベトナム料理好きの音無さんも「初めて聞く」というチャーカーを、早速オーダーしてみた。

 まず出てきたのは、フライパンにのせられた白身魚の切り身。実はこれ、ナマズの切り身なのだ。これを目の前のガスコンロで熱して、さらにネギや香草などを大量に投入する。焼けたら小皿に取り分けて、米で作った麺「ブン」を加える。ここにナッツやトウガラシなどお好みのトッピングを加えて、最後に小エビを塩漬けにした魚醤をたらしたら完成だ。さて、気になるお味の方は……

「うん!この味、あたし大好き。なんて香りがいいの」と声を上げたのは音無さん。村井さんも「日本人に合っている味だよね。僕はフォーとか、お米を使ったものも好きだから、このブンもすごく好き。すごくおいしいね」と絶賛だ。

 東南アジアの料理は香りが強いイメージがあるが、「香りが強いのにどんどん食べられちゃう」(音無さん)と話すように、こちらはかなり食べやすい様子。シニア世代でも楽しめるベトナム料理になっているようだ。

 翌日訪れたのは、世界遺産・ハロン湾。ハノイから車で3時間ほどかかるが、車を貸し切れば、シニアの体力に合わせてくれるので無理なく向かうことができる。

 ハロン湾には、1969に及ぶ奇岩が集まっており、その幻想的な風景から「舞い降りた龍が炎をはいて作った」という伝説もある。船で湾のなかを進んでいくと、まるで水墨画のような美しい景色が広がっている。

「伝説を信じちゃうような景色よね。遠くで重なり合った岩も、水墨画のようで」(音無さん)

「それに近づいてみると、また雰囲気が違うんだよ。すごい景色、ぜいたくだね」(村井さん)

 ふたりともすっかり魅了された様子だ。

 日本人でも食べやすい異国の味や、自然が作り上げた絶景と、ベトナムにはシニアが楽しめる魅力が詰まっていた。ほかにも、日本語で買い物を楽しめる市場や、異国情緒あふれる街並み、簡単に楽しめるカジノなど、シニアのツボを押さえたスポットが多数登場する。両親へ旅のプレゼントを考えている人は、ぜひ参考にしてみてはいかがだろうか。