俳優の高知東生(50)が今秋の映画『忘れ雪』の公開をめどに引退する。妻で女優・高島礼子(50)の父親の介護に専念するのだという。高島の父は2004年にパーキンソン病を患い、寝たきりの状態となった。04年末には自宅にエレベーターや手すりを取り付けバリアフリーにし、高島は、高知と共に自宅介護に踏み切った。
「高知は普段から車に乗せたり、ベッドに寝かせたり、体力的に大変な部分を全て引き受けて高島をサポートしていました。『うちの嫁の芝居は世界一』というのが彼の口癖ですが、高島には仕事は積極的に受けるよう勧め、家のことは心配しないようにと仕事に送りだしていたそうです。高知はもともと、料理も家事もこなすし、一部では高島のマネージャーだなんて皮肉られることもありましたが、そのぐらい気配りのできる男です」(芸能関係者)
家事や育児に協力的な夫を「イクメン」、家族の介護を担う男性を「ケアメン」とも呼ぶが、どちらもこなすのはまさに“プロ主夫”。高知だけじゃなく、芸能界にはプロ主夫が少なくない、というのは女性誌編集者だ。
「真木よう子のところもそうです。夫の片山怜雄は俳優としてドラマなどでも活躍し、一時は小説家を目指していたそうですが、今では真木が外で働き家事や育児は片山が担当しているという状況ですね。水嶋ヒロも子供が生まれて、ますます“主夫業”が忙しくなったようです」
さらには、あの80年代に絶大な人気を誇った外国人プロレスラー、“不沈艦”スタン・ハンセン(65)もなんと米国で専業主夫に転身していた。ウエスタン・ラリアットを武器にジャイアント馬場、アントニオ猪木らと死闘を繰り広げたハンセンだが、51歳で引退して米国に帰国。膝、肩、腰など全身12カ所を繰り返し手術し両肩、両膝は人工関節、ほとんど働くことができない状態だという。
「ハンセンの妻は日本人で、アメリカで心臓外科専門の看護師として働き、ハンセンと子供たちの生活を支えています。ハンセンは日常生活に支障はないですが、身体がボロボロで働くことはできないため、家事全般を受け持っています。引退後、10年以上のキャリアですから、料理の腕前もかなりのもののようですよ(笑い)」(スポーツライター)
“家事は、芸術と同じぐらいの時間と勉強を要す”と言ったのは近代彫刻の父・ロダンだが、プロ主夫の道も甘くないようだ。
(ライター・浜中こまき)