ちなみに、スクリームとは、直訳すると、叫ぶ。ヘヴィー・メタルの演奏ではおなじみのデス・ボイスとも呼ばれる絶叫のことをいうそうである。
彼女たちの存在が日本で多くの人に知られたのは、13年にメジャーデビューしたときのシングル《イジメ、ダメ、ゼッタイ》だ。このときに発表されたグループの目標は「世界征服」。その後は、多くのロック・フェスに参加、海外でも公演を重ねてきた。14年には、米ビルボードの総合アルバムチャートに日本人最年少でランクインし、同じ年の3月には、女性最年少記録を更新する日本武道館での単独公演を行った。その時の彼女たちの平均年齢は、14.7歳だった。
2014年フランス、ドイツ、イギリス、アメリカ、日本を巡る初のワールドツアーを開始。その後、レディー・ガガの北米ツアーに前座として参加し、ガガのお気に入りとなったわけだ。
演奏が始まって感じたことは、その歌やダンスが、他のアイドル・グループとは動きが違うこと。複数のメンバーからなるアイドル・グループの場合、どこかユルさが感じられることがある。みんなが歌ったり踊ったりして、でも、ひとりひとり、ちょっと違っていたり、ずれていたり。それも、魅力のひとつだと思うのだが、ベビー・メタルの3人には、そのユルさが感じられない。
例えば、マドンナのライヴでは、バック・ダンサーとマドンナの一糸乱れぬ動きに感心させられるが、彼女たちの動きにもそれに似たものを感じる。
さらに、本人たちばかりでなくバックの演奏も素晴らしい。白黒メイクに白装束を着た神バンドと呼ばれる実力派のミュージシャンたちだ。彼らは、メタルの神「キツネ様」の化身として召喚されてきているという。
このあとも、ベビー・メタルには世界を駆け回るライヴ・スケジュールが待っている。5月後半からはドイツなどでのヨーロッパ公演が続き、6月21日にはワールドツアーの一環で再び日本に戻ってくる!(ライター・美輪一実)
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