エン・ジャパン株式会社が行った調査によると、30歳以上の転職経験者の約8割が、転職前に聞いていた情報と転職先企業の実態が違うと感じたことがあるということが分かった。
その違いには、予想より良かったものもあるようだが、やはりマイナス面が多いようで、「風土・社風」「昇給制度」「教育体制」が悪かった点のトップ3に挙がっている。さらに、75%の人は、そのマイナス面が次の転職動機につながったと回答。転職前と入社後で、イメージの相違や条件面の齟齬があると再転職につながりやすく、働き手・企業の双方に損失が生じているといえそうだ。なぜそのような齟齬が生じるのだろうか。
原因としては、「入社前の情報収集不足」(41%)、「急ぎの決断をした」(31%)、「妥協(せざるを得なかった)」(22%)などが挙げられた。年代別で大きな差異はなかったが、30代のみ「印象だけで決定した」が27%で3位に選ばれた。
では、入社後に後悔しないためにはどうしたらいいのだろうか。転職経験の有無に関わらず、後悔しないために必要なことを聞いたところ、「入社後の具体的な仕事内容を聞く」(41%)、「実際に働いている社員と話す機会を持つ」(39%)、「インターネットの口コミ情報を見る」(36%)と続いた。
転職経験の有無で違いを見てみると、転職経験なしの人が多く選択したのは、「今後の企業情報を調べる」(転職経験あり:27%、転職経験なし:36%)、「企業のホームページをよく見る」(同:23%、同:35%)という一般に普及している情報の収集に関連する項目だった。
一方、転職経験がある人が多く選択したのは、「同業者に話を聞く」(転職経験あり:33%、転職経験なし:27%)、「面接官にもっと質問をする」(同:30%、同:24%)となっており、生の情報を重視する傾向にある。
その他の意見としては、「大企業の場合、部門のカラーがある。こればっかりは入ってみないとわからない部分だった」「社内の人間関係は入社するまでわからない」といったコメントも寄せられた。
転職をお見合いに例える人もいるように、入社してみなければ、結婚してみなければわからないことが多いのは確かだ。後悔してまた転職、とならないためにも、できる限りの情報収集をしておきたい。