高倉健さんの訃報を報じる号外
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高倉健さんの主な出演映画
高倉健さんの主な出演映画

 俳優の高倉健さんが11月10日、悪性リンパ腫のため、都内の病院で死去した。18日に所属事務所が明らかにした。享年83歳だった。

 高倉さんは1931年、福岡県生まれ。明治大学へ進学のため上京した。その後、スカウトされ、東映ニューフェイス第2期生として東映に入社した。

 役者経験はほとんどなかったが、1956年に映画『電光空手打ち』、『流星空手打ち』で主役としてデビューを果たす。60年代には、任侠映画に出演し、人気を集めた。『網走番外地』や『日本任侠伝』、『昭和残侠伝』は連日、映画館が満員となる大ヒット作となった。また、高倉さんの「死んでもらいます」という男らしく、そして武骨な決め台詞は当時の若者の強い共感を呼んだ。

 70年には、所属先である東映の許可を得て、個人事務所「高倉プロ」を設立した。高倉さんは、任侠映画で定着したヤクザ者のイメージからの脱却を図った。76年に東映を退社。同じ年に『君よ憤怒の河を渉れ』で検事役を熱演した。

 77年、明治時代の陸軍の遭難事件を描いた『八甲田山』、倍賞千恵子と共演した『幸福の黄色いハンカチ』で主役を演じ、第1回日本アカデミー賞の最優秀主演男優賞を受賞した。90年から2000年代にかけては映画以外に活躍の場を広げ、富士通やキリンビールといった企業のテレビCMにも出演した。

 93年にはハリウッド映画「ミスター・ベースボール」に中日ドラゴンズの監督役で出演し、熱血監督を演じた。近年では、2012年に自身205本目となる主演映画『あなたへ』に出演。妻に先立たれた刑務官の指導教官を好演した。2013年に文化勲章を受章している。