帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「貝原益軒 養生訓 最後まで生きる極意」(朝日新聞出版)など多数の著書がある
帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「貝原益軒 養生訓 最後まで生きる極意」(朝日新聞出版)など多数の著書がある
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帯津良一さん (撮影/多田敏男)
帯津良一さん (撮影/多田敏男)

 西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱する帯津良一(おびつ・りょういち)氏。老化に身を任せながら、よりよく老いる「ナイス・エイジング」を説く。今回のテーマは「いい人をやめる」。

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【ポイント】
(1)いい人ではなくて、ちょっとワルい人に
(2)嫌われない「いい年寄り」はストレス増加
(3)平静ばかりでなく、時には興奮してみる

 もう6年前ですが、『「いい人」をやめると病気にならない』(SB新書)という本を書きました。

 働きすぎたり、人間関係に悩んだり、遠慮しすぎたり、お人よしなために損な役回りを押し付けられたりする「いい人」。こういう人たちはストレスにさらされて、病気になりやすい。そのストレスから逃れるにはどうしたらいいかを解説しました。

 つまりは、いい人であるのをやめて、ちょっとワルい人になろうということです。

 気ままで楽天的、自由奔放。道徳的に見ると不真面目なところもあるけれど、気にしない。仕事だけではなくて、趣味や遊びを大いに楽しむといった生き方をしてみましょうということです。

 いい人であるか、そうでないかは、その人の性格によるので変えられないという見方もあります。しかし、私はいい人かどうかは年齢も関係すると思います。

「いい歳なんだから」という言葉がありますよね。その言葉には、若い時は多少無茶苦茶でも、歳をとったらしっかりしなさい、つまりいい人になりなさいという意味が込められています。

 年配になって、わがままで頑固者になり、周りに嫌われるケースもあるでしょうが、それよりは周りを気にして嫌われない「いい年寄り」になろうとしている人が多いのではないでしょうか。そういう人は、ストレスを増加させることになります。

 歳をとると、いい人になる傾向があるということを体の仕組みで説明したのが、免疫学者の安保徹先生です。 

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