ベニー・ガンツ氏(左)とべンヤミン・ネタニヤフ氏(ニシム・オトマズキン提供))
ベニー・ガンツ氏(左)とべンヤミン・ネタニヤフ氏(ニシム・オトマズキン提供))
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 イスラエルでは3回目の総選挙が3月2日に行われました。この1年で3回目です! その理由は、有権者が現在二つの陣営に分かれて対立しているからです。一方はべンヤミン・ネタニヤフ現首相が率いる右派・宗教連合、もう一方は元軍参謀総長ベニー・ガンツ氏が率いる中道左派連合です。しかし双方が議会で過半数の連立を達成することができず、イスラエルの政治は行き詰まって3度の総選挙が行われたのです。

 この行き詰まりの主な理由の一つは、イスラエル社会で物議を醸しているネタニヤフ現首相の存在です。ネタニヤフ首相は抜け目のないポピュリスト政治家であり、選挙運動の達人で、在任期間はすでに14年間に達しています。彼が党首を務める「リクード」党の支持者からは情熱的に支持されていますが、その半面、彼の長期政権に反対する多くのイスラエル市民からは嫌われています。

 現在ネタニヤフ首相は収賄疑惑に直面しており、裁判が開始されることになっています。彼は辞任を拒否しており、昨年は、首相在任中は刑事訴追の免責を与える法律を可決しようとしました。

 私はいくつかの点で、ネタニヤフ首相は田中角栄元首相に似ていると思います。まず首相に選出されたとき、二人とも日本またはイスラエルで最年少の首相で、広く国民の支持を得ていました。また両者とも舞台裏では政治的取引の達人と見なされています。彼らは所属政党、そして議会で巨大な政治的支配力を持っています。そしてともに深刻な汚職で告発され、起訴されました。田中元首相はロッキード事件として有名なアメリカの旅客機購入に関しての汚職事件で有罪になっています。一方ネタニヤフ首相は、ドイツからの海軍潜水艦の購入やユダヤ系アメリカ人の億万長者らからの20万米ドル相当の葉巻や高級シャンパンの受領、そしてメディアへの操作疑惑をもたれています。

 今回の第3回選挙の投票率は高く、登録有権者の71%以上が投票しました。イスラエルでは選挙日は国民の祝日と考えます。学校や仕事は休日扱いで、役所なども休業します。選挙には費用がかかりますが(各選挙の費用は約10億米ドルです!)、この経済的負担にもかかわらず、社会では民主主義を祝う日と見なされているのです。

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