カンニング竹山/1971年、福岡県生まれ。お笑い芸人。2004年にお笑いコンビ「カンニング」として初めて全国放送のお笑い番組に出演。「キレ芸」でブレイクし、その後は役者としても活躍。現在は全国放送のワイドショーでも週3本のレギュラーを持つ(撮影/今村拓馬)
カンニング竹山/1971年、福岡県生まれ。お笑い芸人。2004年にお笑いコンビ「カンニング」として初めて全国放送のお笑い番組に出演。「キレ芸」でブレイクし、その後は役者としても活躍。現在は全国放送のワイドショーでも週3本のレギュラーを持つ(撮影/今村拓馬)
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※写真はイメージです (Getty Images)
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 ツイッターで1日1話ずつ更新され大きな注目を集めていた4コマ漫画『100日後に死ぬワニ』が最終回の直後に、書籍化や映画化など大々的なキャンペーンが発表され炎上状態となった。お笑い芸人のカンニング竹山さんは批判的な書き込みをする人に対して「純粋に見すぎていて危険」と指摘する。

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『100日後に死ぬワニ』が、叩かれている意味がまったくわからないんですよね。作者本人が「自分1人で始めた」と説明していますが、初めから書籍化とか大きなキャンペーンありきの企画だったとしても、何が悪いんですか? 最初は1人で描き始めたものでも、話題になれば編集者とかが「本を出しませんか」「映画にしませんか」って声をかけるのは普通のこと。逆に最初から書籍化ありきで「今は普通に出しても売れないから、こういう仕掛けにしよう」って100日間、毎日出していこうと考えたというのもアリでしょ。それなのにネットで見ているものについて、世の中の人が信じすぎているのが僕は逆に心配です。文句を言っている割に、純粋すぎているというか……。スマホやパソコンは自分の所有物だから、それで見るコンテンツも自分だけのもののように勘違いしているんですよね。いつのまにか陶酔しちゃって、ネットの中の物語を自分の世界に変えちゃっている。

 金が絡むと「我々は騙された!」「人の利益のために俺たちは使われたんだ」って、勝手に妄想して、バカな人ほど騒ぐ。それがネットというか、ツイッターなどのSNSの常。なぜか? 理由は簡単です、浅はかだから(笑)。答えはそれしかないと思う。そもそもコンテンツがタダなわけがない。あなたが見ているネットニュースでさえ、すべて金が絡んで作られているし、今手にしているスマートフォンやパソコンだって、世の中にはめられて買ったものなんですよ。自分の生活のあらゆることが企業の戦略にまんまとのせられた結果だってことを忘れてないか?

 それなのに勝手に陶酔しちゃって“純粋”であるはずだと思い込んで、自分の意見に反していることや行動を許せなくなる。俺はこれだけやってあげたのに、これだけ本当のことを言っているのにって、思ったことと違うとネット上に書くようになる。冷静さをなくして、何が一番大事なのかという思考がゼロになるんですよね。それって危険だと思います。

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がっかりした人ほど気を付けたほうがいいこと