それを聞いて安心した。再び、鶏むね肉を毎日むしゃむしゃ食べ続けると、6日目の測定で一転。なんと疲労度が「54歳相当」と実年齢より1歳下になり、総合評価も「良好」に。

 ただ、相変わらず疲れはある。このまま食べ続けよう。

 イミダペプチドはマグロやカツオ、豚肉や牛肉などにも含まれている。しかし今回は、鶏むね肉だけ食べ続けることにした。イミダペプチドが含まれる量が多く、低カロリーでしかも安価という理由からだ。

だが、これが仇(あだ)となった。鶏肉は嫌いじゃないが、毎日食べるとさすがに飽きる。しかもわが家は共働き。ともに忙しく、料理をする時間はあまりない。そのため、2週間のうち6日間はコンビニの「サラダチキン」となった。これから挑戦する人にはほかの食材も採り入れることを勧めたい。フードスタイリストの新田亜素美さんに、鶏むね肉のほか、豚ロース肉やマグロを使って手軽にできる料理を教わったので参考にしてほしい(下記レシピ)。

 さて、その後の検査結果は、

 ほとんど改善せず、「良好」と判定されたのは6日目の1度だけ。13日目は4日目のワースト記録に並んだ。2週間、鶏むね肉を食べ続け、結果だけ見ると疲れが軽減したとは言えない。

 だが不思議なことに、開始1週間を過ぎた頃からダルさを感じなくなった。特に朝起きた時、以前のようなダルさがなく頭もスッキリ。数値が良くないのにどういうことか。梶本院長に再び問い合わせると、次のような返事が来た。

「プロジェクトの実験では改善率は76%で、もちろん全員に良好な結果を保証するものではありません。ただ、疲労感が軽快した場合、自然に遅い時間まで仕事して負荷が増えたり無理をしたりするケースもありますが、その可能性はないでしょうか? 私の場合も、日頃からイミダペプチドを摂取していますが、続けている時よりも出張などで中断した時に疲れが増し、日頃のありがたさを実感します」

 疲れがとれたように感じたからといって、無理は禁物、ということだ。鶏むね肉パワーを実感した記者。還暦まであと5年。それまでは元気に現役生活を続行できるかも。そう思えるようになった。(編集部・野村昌二)

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