新型コロナウイルスの感染拡大がさらに深刻になった。東京都の小池百合子知事は3月25日、都内で新たに41人の感染が確認されたとして、夜間外出をやめることなど大規模な自粛の呼びかけをした。今週末の外出自粛も求めており、首都東京の経済活動は一気に縮小しそうだ。
小池知事は午後8時過ぎから会見し、この3日間で74人の感染が確認されたことを公表。感染経路が不明な人も複数含まれているとして、感染者の爆発的な増加が懸念される「感染爆発 重大局面」にあると訴えた。
「このままでは医療崩壊が起きかねない。都市の全面的な封鎖をしないためにも、都民の協力をお願いしたい」
都知事は改めて、三つの「密」を避けるよう訴えた。
○換気の悪い密閉空間
○多くの人の密集する場所
○近距離での密接した会話
こうした場面を避けるため、屋内、屋外とわずに、イベントなどへの参加を控えるよう呼びかけている。
都としてもイベントの主催者に、開催そのものを自粛するよう強く求めていることも説明した。
3月28日に後楽園ホールで開催予定だった格闘技イベント「K―1」については、都として主催者と協議した結果、無観客試合になるという。
ほかにも、ライブハウスなどにも自粛を個別に求めていくという。
無症状の人がウイルスを拡散することが懸念されるとして、小人数でも飲食を伴う会合はできるだけ控えるよう訴えた。
都民にとって影響が大きいのは外出自粛要請だ。小池都知事は次のように述べた。
「平日は仕事はできるだけ自宅でして、夜間の外出は控えて欲しい。週末は急ぎでない外出は控えて欲しい。できる限り動きを自宅内で限定して欲しい」
海外からの帰国者については、感染が確認される例が増えているとして、帰国から14日間の外出自粛を順守してもらう。
週末の外出自粛要請は北海道で実施され、経済活動に大きな影響が出ている。1千万人を超える東京都民が一斉に外出を控えると、かなりのインパクトが想定される。自粛によって飲食店などの営業が難しくなることも考えられる。感染拡大のためには自粛はやむを得ないことだが、業者らへの支援策などが課題となる。