そんなお市の方は、過去の大河ドラマでも錚々(そうそう)たる女優陣が演じている。
「北川さん演じるお市の方には、意志が強い印象を受けました。過去に大河ドラマで市を演じた俳優さんで印象的なのは、『おんな太閤記』の夏目雅子さんですね」
1981年放送の「おんな太閤記」で市を演じた夏目雅子は、83年放送の「徳川家康」ではその娘・淀を演じているが、他にも大河ドラマでは、岸惠子(「太閤記」65年)、松原智恵子(「国盗り物語」73年)、眞野あずさ(「徳川家康」)、頼近美津子(「秀吉」96年)、田中美里(「利家とまつ~加賀百万石物語~」2002年)、大地真央(「功名が辻」06年)、鈴木保奈美(「江~姫たちの戦国~」11年)、内田恭子(「軍師官兵衛」14年)が市を演じている。
お市の方は、力さえあれば何でも手に入る戦国の世で政治権力によりその生涯が翻弄されてゆく。
「戦国大名家・国衆家同士の婚姻関係は国家と国家の外交関係にあたります。これからドラマでは、お市の方の婚姻がどのように描かれるのかが興味深いです」(黒田さん)
(ライター・本山謙二)
※週刊朝日 2023年2月17日号