東京都の小池百合子知事が外出自粛などを求める会見の前の時期には、ブーメランやフライングディスク、サッカー用品といった室外向けの遊具が、昨年と比べ全体で約4倍売り上げが増えたという。室内遊具も約2倍増。なかでもエクササイズ系の商品が売れているようだ。

「両手で広げるチューブ、バランスボール、ダンベルがいずれも昨年と比べ2倍増になっています」(同)
 
 キャンプ、レジャー用品も売れ筋だ。

「家族でキャンプやバーベキューをするためのグッズが人気で、全体で約2倍伸びてます」(同)

 全国で429店舗(19年8月末現在)を展開するホームセンターのコーナン商事では、こんな商品が思わぬ売れ筋に。

「トイレの便座に取り付ける温水洗浄機が売れていますね。パーツが中国製で、市場全体にモノが不足しているような状態。業者さんや個人のお客様が買っていかれます」(IR広報室)

 同広報室は、ホームセンターに足を運ぶ客が全体的に増加傾向にあるとみている。

「客数は既存店ベースで、3月1~22日までで20%くらい増えていますね。店に行くと、けっこう混んでいるなと思いますので。ホームセンターは各社いいと思います」

 時間の使い方が変わったことで、性に関する商品の売れ行きにも変化が出ているようだ。

 風俗ライターのハラ・ショー氏がこう話す。

「セルフプレジャー(マスターベーション)のアイテムが注目を集めています。買われていくのは、家にいる時間が増えたけど、異性との濃厚接触は怖いので避けたいという方のようです」

 都内で7店舗のアダルトグッズ店を展開するワイルドワンの内藤篤社長も「セルフプレジャーのアイテムが人気です」といい、「自宅で過ごす時間が増えたという女性やビジネスマンが買っていかれます」。

 経済全体を見れば苦しい時期ではあるが、これをきっかけにロングセラーとなる商品が出てくるのかもしれない。(本誌・上田耕司)

※週刊朝日オンライン限定記事

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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