そして次に意識したいのが、“1日の片づけレベル分け”だ。

「脳は、朝・昼・晩で状態が違います。そこで、脳の状態に合わせた片づけを習慣化するのです。朝は脳が覚醒し始めている状態ですから単純作業的な片づけを。食器洗い・整頓や洗面所の整理などがおすすめです」

 そして昼は脳が一番覚醒している状態。そのため、家具を動かしたりといった“大物片づけ”は、昼に行うほうがよい。また夜は、脳もからだも疲れているので、レジ袋の仕分けなど、のんびり作業できることをする。

「この1日の片づけレベル分けができるようになったら、1週間の片づけメニュー化をしてみましょう」

 下記を例として、1週間の片づけメニューを挙げてもらった。

「この曜日には、ここの片づけをすると決めておくのです。曜日ごとにゴミ捨てのルールがあるように、片づけも曜日ごとに自分でルールを決めておけば、片づけが暮らしの一環になってきますから、続けやすいと思います」

 月曜日は、この1週間の片づけプランニング、火曜日は「火」を使う台所回り、水曜日は「水回り」、木曜日は「木製」家具類回り、金曜日は「お金」回り、土曜日は玄関回り、日曜日は家族全員で掃除&片づけを……といった具合だ。

「これはあくまでも例ですが、各曜日に紐づけてメリハリや特徴をつければ、忘れにくいと思います。そして私としては、なるべく午前中に行うことをおすすめします」

 たとえば朝の散歩などから戻ってきたときに、その流れで「その曜日の片づけ」をやってしまうのだ。

「散歩などでからだを動かして、ちょっと血行がよくなったところで作業するのが一番早いですからね。片づけの作業をてきぱき行い、運動不足の解消にも結び付けていきましょう」

 シニア世代にとっては、曜日ごとの片づけ習慣は、認知症予防にもつながるという。

「どこを何曜日のいつごろ片づける、と決めておくことは記憶力を落とさないために一番有効な方法なのです。『確かにやらなくては』という緊張感があるからです。また片づけというものは、毎回解答の導き方が違うところがいいのです。これはどこにしまって、これは捨てて……というように、臨機応変な対応が常に求められますから、脳がマンネリ化しないのです」

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