投資信託の積み立てを始める人が増えている。コツコツ毎月銀行から引き落としていくことで、損するリスクを減らせるからだ。特に新型コロナウイルスによる相場急落で「今なら損しないかも?」と思った初心者が参戦。「この相場で口座開設が急増していることに、やや驚いています」とはネット証券関係者の弁だ。
では、どんな投資信託が人気なのだろう。アエラ増刊『AERA Money 今さら聞けない貯金の基本』(3月25日発売)では、毎月1万円をインデックスファンドに積み立て投資をすると、どれくらい増えるのかを専門家に検証してもらった。
投資信託の商品は幅広く、6000本以上もある。経済の新聞をよく読む人なら、投資信託は腕利きのファンドマネジャー(投資のプロ)が華々しい運用成績を上げているもの、とイメージしがち。しかし連戦連勝を永遠に続けられる天才はいない。
10年、20年と積み立てをするなら、結局、株なら株、債券なら債券という同じカテゴリーの金融商品に幅広く投資し、その金融商品の平均的な値動きとなる指標と同じように価格が動く投資信託のほうが、長期的な運用成績はよくなることが多い。そういう「指標と同じ動きをする投資信託」のことを「インデックスファンド」という。
「老後の資産形成に向けた投資信託の積み立てに、インデックスファンドを選ぶ人は多くいます」
と語るのは、三菱UFJ国際投信デジタル・マーケティング部次長の酒井香織さんだ。
「日本株なら日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)、米国株ならNYダウやS&P(スタンダード・アンド・プアーズ)500など、その市場の値動きの平均値を算出した『指数』に連動するように設計されていて、とてもシンプルな内容です」(酒井さん/以下同)
三菱UFJ国際投信のノーロード(販売手数料無料)インデックスファンド「eMAXIS(イーマクシス)」シリーズは、通常の購入に加えて「iDeCo」や「つみたてNISA」口座からの購入も激増中。2019年末には純資産残高が合計で5000億円を突破した。