では、家庭内に感染の疑いがある人が出て、検査を受けて結果が出るまでの間はどう過ごすべきか。前出の上医師が語る。

「感染すると重篤化しやすい高齢者や基礎疾患がある人は、予防策として感染者のいない家へ一時的に避難することが望ましいです」

 それが状況的に難しい場合や、比較的、重篤化のリスクが低いと考えられる同居者の場合、次のような工夫をすべきだという。

「部屋を別にするなど生活空間を分け、食事も一緒にとるのを避けてください。コロナウイルスは皮膚に触れても染み込んでくるわけではなく、目・口・鼻などの粘膜から感染するので、同じトイレや風呂を使うことは可能です。ただし、そのつど手洗いを徹底することを忘れないでください」(上医師)

 感染者数が急増する中、厚労省は4月2日付で、重症者の病床を確保するため、軽症者や無症状者を自宅や宿泊施設などで療養させるよう都道府県に通達した。宿泊施設は自治体が借り上げるが、入居者は軽症や無症状で、重症化のリスクがある人と同居している場合が優先されるという。

「家内感染」を防ぐため、各家庭の知恵と工夫が求められる。(本誌・岩下明日香)

週刊朝日  2020年4月17日号