FAOの食料価格指数は昨年12月、3カ月連続で上昇して高い水準となった。今年に入って落ち着いていたものの、移動制限・鎖国で農業現場の労働力が確保しにくいなど、コロナ問題によって再び価格が上昇しかねない状況だ。

 アフリカ豚コレラも懸念材料だ。豚が感染する伝染病で有効なワクチンや治療法がなく、致死率が高い。アフリカで広がるだけでなく、ロシアやアジア諸国でも発生が確認されている。

 さらに最近、バッタが大量発生し、異常気象との関連が疑われている。大量のバッタが東アフリカからアジア諸国に侵入し、各国で農作物に大きな被害をもたらしている。

 輸出規制の動きを国はどうみているのか。農林水産省食料安全保障室の担当者はこう話す。

「輸出しないと言っているわけでなく、国内需給安定のためなどで輸出枠を設定したもの。日本が直接輸入している国ではありません。日本はコメを自給できますし、米国は穀物を順調に輸出しています。いまのところ心配の必要はありません」

(本誌・浅井秀樹)

週刊朝日  2020年4月24日号

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