山田:そういえばベッキー騒動の時、湯山さん、「ベッキーによって日本の恋愛は殺された」って言っていましたね。

湯山:そう、恋愛は人間ならではの情動と行為でありまして、社会的な善悪の尺度から逸脱する場合がある。ひとつの恋愛成就の陰にはフラれて傷つく人間もいるわけです。「奥さんには申し訳ないけれど、たとえイバラの道でも、彼と一緒にいたいんです」と宣言するのもありだった。自分の恋愛を後悔、否定し、罪とみなす彼女の謝罪の様子を見たら、もう「恋愛はしないほうが身のため」となってしまう。

山田:ベッキーの最初の会見は、本当にスポンサー対策みたいになってた。それが失敗。ベッキーは、本当に大変な時期を経て、幸せになれたので良かったけど。

湯山:だからもう、テレビに出て、スポンサーを背負う芸能人は、生き方全てをイメージ通りに踏襲しなければダメってことでしょ。あと、昔と違うのはSNS。公開処刑ですよね。

山田:一連のLINEの流出も、今回の唐田えりかのSNS上でのにおわせ系(書き込み)も、流出してしまった、日々のつらさをつづっていた裏アカウントも。それを見た杏は、余計な生々しいものを見せつけられた感じですよね。

岡野:奥さんが許すか許さないか、これすごく大事。

山田:そうそうそう。

湯山:だから、不倫の現実は「ダメ、絶対」ではなくて夫婦関係によりけり。

岡野:宮崎謙介の場合は、金子恵美が「許した」。原田龍二さんも千原せいじさんも奥さんが「許した」。世間も「奥さんが許すんならしょうがない」となる。

山田:三田寛子もそう。まず三田寛子が「お騒がせしました」って。佐野量子もそうだね。奥さんが一枚上手な人。実際の家庭の中ではわからないけれど。せいじさんだって毎日家に帰ると文春が1冊ずつ積まれているって、地獄のようなことがあったらしいけど。でも世間的にはそれでOKになっちゃった。

山田:東出会見でちょっと笑っちゃったのが、今回各局がそろえてきたベテランリポーター8人のうち7人が女性で、平均年齢も独身率もすごく高かった。これだめだ、と思ったの。逆に原田龍二さんの会見の時は、「性欲が強いんですか」っていう割と若めの女性リポーターの質問があって、実はあれにすごく救われたんですよ。会見では、そういうリポーターの座組み(構成)の運・不運というのもある。絶対あるの。

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