西武黄金期に長らく正捕手を務めた伊東勤 (c)朝日新聞社
西武黄金期に長らく正捕手を務めた伊東勤 (c)朝日新聞社
この記事の写真をすべて見る

 今年2月11日にプロ野球史上に残る名選手、そして名監督でもあった野村克也氏が亡くなった。現役時代は南海などで捕手としてチームを支え、監督時代もキャッチャーを中心にチームを作りを行った野村氏の持論は「優勝チームに名捕手あり」であった。

【写真】フォーム改造で“大化け”した選手たち

 過去を振り返ると、どの球団もチームの歴史を彩った名捕手が存在するが、今回は各球団の「歴代最強の捕手」を独自で選出してみたいと思う。今回はパ・リーグ編。※通算のデータは該当するチーム在籍時の成績、正捕手のシーズンはその年の出場試合数をもとに算出

*  *  *

■南海、ダイエー、ソフトバンク:野村克也
(通算成績:2827試合 2813安打 打率.279 645本塁打 1940打点)

球史に残る強肩強打の捕手である城島健司もおり甲乙つけがたいが、圧倒的な通算成績、そして捕手というポジションというものの考え方を確立した野村の功績は計り知れない。打撃では、NPBの歴代通算で安打、本塁打、打点のすべてで2位にランクイン。65年には戦後初となる三冠王に輝いた。ベストナインには史上最多となる19度選出されるなど、現役時代の偉業を挙げるとキリがないほどだ。守備では肩の強さは決して特出するものはなかったが、相手打者を徹底的に研究したうえでのリードや“ささやき戦術”などの心理戦に長けていた。また、投手の「クイック・モーション」を編み出すなど、数字に見えない実績も相当なものだ。

先述した城島も、捕手の歴代通算の安打数(1406)が8位、本塁打(244)は5位、打点(808)は8位の成績を記録。脂の乗り切った30歳となるシーズンにメジャーに挑戦し、4年間アメリカでプレーしたのにも関わらず、この数字は見事というほかない。城島は強肩も球史に残るレベルで02年に5割を超える盗塁阻止率をマークし、チームでレギュラーとなってからの9シーズン中で4度リーグトップの数字を残している。ダイエー時代は長年続いていた低迷期を脱し“常勝軍団”となったチームの中心的な存在でもあった。

次のページ
西武の捕手といえばあの人!