同じギャル系では、ゆきぽよこと木村有希も面白い存在だ。闘病中の志村に「絶対ギャル好きだよね。またバカ殿が見たい」とエールを送ったり、安倍晋三首相のコラボ動画に対しても「かわいいなと思ってほっこりした」と擁護したりしている。オヤジころがしの才能はありそうなので、知名度アップがカギだろう。

 一方、ホリプロの後輩でもあるこじるりこと小島瑠璃子はどうか。MC能力はそこそこだが、まだ力不足かもしれない。4年前「旅のススメ」(テレビ朝日系)で草野仁が「当年とって62歳、実年齢は72歳」とオヤジギャグを口にしたとき、彼女は「当」と「十」をかけたことがわからず「実年齢って犬みたい」ととんちんかんな返しをしていた。大物をころがすにも、それなりの賢さが必要なのだ。

 そういう意味で、山瀬はそこそこ賢い。そのうえでバカもやれるところがすごいところだ。20年間務めた「金鳥」のCMではピンクのかっぱの着ぐるみ姿で笑いをとったりもした。にこるんやこじるり世代のタレントがそこまでできるとは思えず、また、そこまでできそうな鈴木奈々あたりではやはりMCは務まらないだろう。

 なお、バカがやれる分、山瀬には色気がない。そこがアイドルよりバラドルに向いていたゆえんでもある。そして「介護する嫁」的ではあっても「後妻業の女」的イメージがないのは、そのおかげだ。

 こうしてみると、山瀬がかなり特異なタレントであることがわかる。デビューにあたり「国民のおもちゃ新発売」というキャッチフレーズをつけられたことが示すように、彼女はおもちゃになれる才能も持ち合わせていた。だからこそ、オヤジのおもちゃになるとみせて、ころがしたりもできるわけである。

 彼女がもし「タレントのためのオヤジころがし講座」を開いたら、若手にはぜひ受講することをおすすめしたい。

宝泉薫(ほうせん・かおる)/1964年生まれ。早稲田大学第一文学部除籍後、ミニコミ誌『よい子の歌謡曲』発行人を経て『週刊明星』『宝島30』『テレビブロス』などに執筆する。著書に『平成の死 追悼は生きる糧』『平成「一発屋」見聞録』『文春ムック あのアイドルがなぜヌードに』など

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