都内のオフィス街は見た目にも人が減ったが、それでも出社が必要な人は多くいる。できる限りの業務改善が求められる (c)朝日新聞社
都内のオフィス街は見た目にも人が減ったが、それでも出社が必要な人は多くいる。できる限りの業務改善が求められる (c)朝日新聞社
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出社しないとダメですか?(AERA 2020年4月27日号より)
出社しないとダメですか?(AERA 2020年4月27日号より)

 在宅勤務が広がりをみせるなか、いまだ出社しなければならない人も多い。だが、その「出社」があるからこそ「在宅」ができる側面もある。AERA 2020年4月27日号では、コロナ禍でも出社せざるを得ない現状を取材した。

【アンケート結果】休業中の店の掃除、捺印… 出社する理由はこちら

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「8割減」には、ほど遠いように見受けられる。

 通勤時間帯の電車、オフィスに向かう人の姿。緊急事態宣言が出た後も、普段と同じように出勤を続けなければいけない人がたくさんいる。出勤したくなくてもせざるを得ないのは、なぜなのか。アエラでアンケートを実施したところ、450人を超える人から声が寄せられた。

 社会を維持するため、リスクを負いながら仕事に携わっている人はもちろんたくさんいる。問題の行き着く先は、国の補償や具体策が不十分であることなのも間違いない。では、それ以外に、どんな要因があるのか。アンケートの結果から、さまざまな「現実」が見えてきた。

 兵庫県の50代女性は派遣社員として保険会社で仕事をしている。緊急事態宣言が出た翌日、雇用されている派遣会社からは、「クライアントが言ってこない限り、通常どおりです」と言われた。クライアントである保険会社の社員は、テレワークになっているのにもかかわらず、100人以上いる派遣社員は出社を続けているという。

 通勤時間を普段より40分ほど早めたり、混み合うエレベーターを避けて5階分ほど階段を使うようにしたり──できることはしている。でも、感染が怖い。

 オフィスはセキュリティー管理が厳重で、トイレの出入り後なども、ドアノブを触らなければ部屋に入れない仕組み。それなのにアルコール消毒液は、クライアントから「備蓄がなくなりそうだからあまり使わないように」とお達しが出た。日付が書かれ、どれだけ減ったかを監視されているという。ランチを取る部屋は人口密度が高く、ソーシャル・ディスタンシングの概念もない。女性は言う。

「派遣会社自体、クライアントの指示がないと動けない。派遣がすごく宙ぶらりんな立場であることを実感しました」

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