
テレビ界が新型コロナウイルスに翻弄されている。連続ドラマにおいては新作をスタートさせられず、過去作品の再放送で埋めている枠も少なくない。たとえば、TBS系の「日曜劇場」なら「下町ロケット」や「ノーサイド・ゲーム」をという具合だ。
なかでも好評なのが、日本テレビ系土曜夜の「野ブタ。をプロデュース」。ミリオンセラーとなった主題歌「青春アミーゴ」(修二と彰)でも知られる、15年前の名作だ。好評の理由のひとつは、若き日の亀梨和也に山下智久、戸田恵梨香、さらには引退した堀北真希が見られることだろう。
手前みそながら「一発屋」に関する著作をライフワークにしている立場からいうと、人間は10年から20年くらい前のブームに懐かしさを感じやすい。15年前のヒット作というのは、ちょうどいい懐かしさなのである。
そんななか、29年前に大ヒットしたドラマがリメイクされる。フジテレビ系「月9」枠の金字塔「東京ラブストーリー」だ。今回は配信(4月29日スタート)限定とはいえ、注目度は高く、メインキャストにも旬の人気者がいる。NHKの朝ドラ「スカーレット」でヒロインの息子を演じた伊藤健太郎だ。
オリジナル版で同じ役(カンチ)を演じた織田裕二とは、少年っぽい精悍さや母性本能をくすぐりそうな雰囲気に通じるものがある。また、ヒロイン(リカ)を演じる石橋静河もオリジナルの鈴木保奈美にちょっと似ている。さらに、ライバル的存在となる三上とさとみには清原翔と石井杏奈。こちらもオリジナルの江口洋介や有森也美に寄せてきた印象だ。
公式サイトでは、伊藤がこんな抱負を語っている。
「昔の『東京ラブストーリー』にはなかったスマホや現代ならではの要素もたっぷりなので、僕らの作る令和の新しい『東京ラブストーリー』を楽しみにしていただけたらと思います」
だが、このリメイク、はたしてウケるのだろうか。すでに触れたように、約30年前というのはちょうどいい懐かしさを超えて、古すぎる気もするのだ。そこで、ある先例が思い出されたりもする。