そういえば、今回の再放送ブームのなかで「野ブタ」同様、好調なのが「恋はつづくよどこまでも」(TBS系)だ。ドジで一途なナースとツンデレなイケメン医師が両思いになっていく物語で、1~3月の本放送では筆者も夢中になった。48年前に最高視聴率50%超えを記録した怪物ドラマ「ありがとう」(TBS系)の第2シリーズと設定や構図が似ていて、いつの時代も通用する王道があることを再認識したものだ。
これに対し「東京ラブストーリー」は特定の時代に爆発的にウケる世界だろう。ちなみに、柴門の夫でやはり漫画家の弘兼憲史の代表作「島耕作」シリーズも、同じタイプだ。90年代には田原俊彦や宅麻伸の主演で実写化され、サラリーマンのバイブルとも呼ばれたが、今の若い男性が憧れる世界だとは思えない。
そんなわけで「東京ラブストーリー」にはどこか「時代のあだ花」だった印象もある。それをまた咲かせようとするのは無理があるというか、それがわかっているからこその配信限定ということなのかもしれない。
とはいえ、名作が若い力によってよみがえるのは楽しいことだ。恋愛観の変遷具合を探るうえでも、内容や反響が気になるところである。
●宝泉薫(ほうせん・かおる)/1964年生まれ。早稲田大学第一文学部除籍後、ミニコミ誌『よい子の歌謡曲』発行人を経て『週刊明星』『宝島30』『テレビブロス』などに執筆する。著書に『平成の死 追悼は生きる糧』『平成「一発屋」見聞録』『文春ムック あのアイドルがなぜヌードに』など