
新型コロナウイルスの猛威で緊急事態宣言も5月末までの延長が決定し引き続き在宅中心の生活が続く。それだからこそ気を付けなければいけないのがコロナに便乗した犯罪だ。
「コロナ関係の仕事をしていて書類をなくした。お金を出さないといけない」
東京都荒川区内の70代女性は、兄を装ったこんな電話を受けて、現金1400万円を騙し取られていたことがわかった。警視庁によると、4月23日女性宅に兄を名乗る男から「書類をなくしてしまい、OBにお金を用立ててもらっている。信用できる男を行かせるので現金を渡してくれないか」などと嘘の電話があったという。
女性は、自宅付近の路上で複数に渡り、30代ぐらいの男に現金を渡してしまった。その後、兄から電話があって被害が発覚したという。
全国民一律10万円支給に関連した詐欺事件も。栃木県警は4月24日、足利市の78歳男性から通帳やキャッシュカードなどをだまし取ろうとしたとして、詐欺未遂の疑いで25歳の男を現行犯逮捕した。
逮捕容疑は、4月23日から24日にかけて男性宅に市職員を装って電話し、「10万円を口座に振り込むから全部の通帳とカードを準備しておいて下さい」などとうそを言って男性宅を訪問してだまし取ろうとした疑いだ。警察庁幹部はこう注意を促す。
「現金給付は支給時期が自治体によりばらつきがあり、間隙を突かれて騙されるということがある。どの自治体でもネット申請と郵送を併用するので時間がかかるが、郵送による安全かつ確実な手続きを勧めたい。また受給後に寄付など、いろいろな名目で言い寄ってくる詐欺犯もいるので要注意です」
警察庁のまとめによると、全国の警察が認知した新型コロナに便乗した詐欺被害は、3月上旬から4月27日までに13の都道府県で計32件、被害額は計3117万円に上っている。未遂も含まれ、逮捕や書類送検したのは7件。うち13件は特殊詐欺で被害額は計2983万円に上る。
更に注意が必要なケースもある。緊急事態宣言の発令に伴い、宅配物を玄関先に置くサービス、「置き配」が増えつつある。