海パンで算数の授業を展開している小島よしお(C)朝日新聞社
海パンで算数の授業を展開している小島よしお(C)朝日新聞社

 5月5日放送の『とくダネ!』(フジテレビ系)で、小島よしおが子ども向けの算数の授業を行ったことが話題になっている。小島は現在、自身のYouTubeチャンネル「小島よしおのおっぱっぴーチャンネル」の中で、新型コロナウイルス感染拡大の影響による臨時休校措置で学校に行けない子どもたちのために、楽しく学べる算数の授業動画を配信している。

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 今回の番組で見せたのはその出張版で、「円周率」をわかりやすく教えるというのがテーマだった。円周率とはそもそもどういうものなのか、ギャグを交えながら丁寧に解説していた。早稲田大学の教育学部を出ているだけあって、ふざけながらもポイントを押さえた授業を展開していた。

 小島はかつて海パン一丁で「そんなの関係ねえ!」などと歌って踊る芸で一世を風靡した。一時は「一発屋芸人」のレッテルを貼られていたが、その後も何とか生き残っている。現在の彼の活動のベースとなっているのは、子ども向けのライブや営業活動だ。その本数はいまや年間100本以上にもなるという。

「キッズコーディネーショントレーナー」の資格も取得し、子どもを楽しませてきた実績ではお笑い界でも右に出る者がいないほどになった。

 小島が子ども向けの活動にシフトしたきっかけは、先輩芸人に勧められたことだった。2007年の大ブレークから4年が経った2011年頃、小島は自分の芸に行き詰まりを感じていた。

 テレビのバラエティ番組では、ひな壇でグイグイ前に出て笑いが取れるトークの達人か、MCがイジらずにはいられないほどの強烈なおバカキャラが重宝される。小島はそのどちらにも適性がないと感じていた。

 以前から自分の芸が子どもにはウケているという手応えがあった。そこで、思い切って子どもをターゲットにした単独ライブを始めることにした。

 しかし、最初のうちは何もかもが手探りで失敗ばかりだった。そもそもライブをやっていることが子どもを持つ親にはなかなか認知されなかった。先輩芸人や関係者に子どもを連れてきてもらったり、知り合いの子どもが通う保育園や幼稚園でビラをまいたり、地道な人集めを行った。

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ラリー遠田

ラリー遠田

ラリー遠田(らりー・とおだ)/作家・お笑い評論家。お笑いやテレビに関する評論、執筆、イベント企画などを手掛ける。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり<ポスト平成>のテレビバラエティ論』 (イースト新書)など著書多数。近著は『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)。http://owa-writer.com/

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