その後も厄災が襲うたび、皇族妃らは日本赤十字社で地道な奉仕作業に従事している。戦後、皇室はより一層、人々に寄り添い、祈り続ける存在へと回帰する。
2011年の東日本大震災では、栃木県の那須御用邸のふろを近隣の避難者に開放。秋篠宮家の紀子さまと眞子さま、佳子さまは被災者が使うタオルの袋詰め作業をした。同年夏に眞子さまは名前を伏せ、学生ボランティアとして岩手県と宮城県へ。子どもらの心のケアにあたり、「まこしー」と呼ばれていたという。
「もちろん数千万円規模の寄付金や被災地訪問もありますが、意外に地味な活動を人知れず行うことも多い」(皇室ジャーナリスト)
今年1月、令和初の歌会始では、皇后雅子さまが災害から復興に向けて立ち上がる人々を歌に詠んだ。
災ひより立ち上がらむとする人に若きらの力希望もたらす
令和の両陛下はまた新しい形で人々にメッセージを発信してゆくのだろう。(本誌・永井貴子)
※週刊朝日 2020年5月22日号