以前、「うちが最も! 日本最西端の駅は3つもあるのはナゼ?」を掲載したが、実は「最南端の駅」を名乗る駅はそれよりも多い5つもある。“最西端”以上にこじつけ!?感のある理由付けは面白いほど。日本人の記録好き、「1番」好きはこんなところにも現れているらしい。
【写真】開聞岳と撮影すると映える「JR日本最南端の駅」はこちら
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■日本最南端の駅は「日本最西端の駅」の隣
日本最南端の駅は、ゆいレール(沖縄都市モノレール)の赤嶺(あかみね)駅で、北緯26度11分35.6秒、東経127度39分37.7秒に位置する。起点で隣の那覇空港駅は「日本最西端の駅」で、発車すると那覇空港、自衛隊(海上、陸上)の基地に沿って進み、わずか1区間、約3分で「日本最南端の駅」の赤嶺駅に到着する。駅前には日本最南端の駅の記念碑が建立された。
ちなみに、日本の鉄道史上における「日本最南端の駅」は、かつて存在した沖縄県営鉄道の糸満駅である。残念ながら沖縄戦の影響で1945年春に事実上廃止。今では跡地の所在地すら把握できなくなってしまった。
■かつては最南端だった「JR日本最南端の駅」
ゆいレールが開業する以前、「日本最南端の駅」だったのがJR九州指宿枕崎(いぶすきまくらざき)線の西大山(にしおおやま)駅。北緯31度11分25.05秒、東経130度34分35.30秒に位置する。ホームの枕崎寄りに記念碑が建つほか、「薩摩富士」と呼ばれる開聞岳(かいもんだけ)がそびえたち、撮影スポットにもなっている。日中の列車(下り2本、上り1本)は2分停車するので、ここで下車しない乗客もホームで記念撮影ができる。
西大山駅は指宿線(現・指宿枕崎線)山川~西頴娃(にしえい)間の延伸に伴い、1960年3月22日に開業した無人駅。以来43年にわたり、「日本最南端の駅」として名をはせた。後に長崎鼻の近くにフラワーパークかごしまがオープンした際は、駅名を「フラワーパーク」に改称する動きもあったが、見送られた。
2003年8月10日、「日本最南端の駅」の座をゆいレールに明け渡すと、地元は記念碑を「本土最南端の駅」に書き換えたが、後に「JR日本最南端の駅」に修正した。
駅前には幸せを届ける黄色いポスト、鐘があり、駅周辺の畑では冬になのはな、夏にひまわりの花が咲き誇る。駅前の「かいもん市場 久太郎」では、JR日本最南端の駅到着証明書、レプリカの記念乗車券をそれぞれ販売しており、旅の記念にもなる。
■JR日本最南端の“有人駅”
指宿枕崎線で、西大山駅から2つ手前の山川(やまかわ)駅は北緯31度12分40.90秒、東経130度37分47.32秒に位置し、こちらは「JR日本最南端の有人駅」である。