また、どの名選手であってもプロの世界で常にトップフォームを保つことは難しく、全盛期であっても好不調の波があるものだが、それが少ないのが王氏の特徴だ。

 本塁打王を含め、主なシーズンタイトルを連続で獲得したもので最長のものを下記にまとめた。

・得点:13年連続(1962~74年)
・本塁打:13年連続(1962~74年)
・塁打:7年連続(1964~70年)
・打点:8年連続(1971~78年)
・四球:18年連続(1962~79年)
・敬遠:16年連続(1964~79年)
・打率:3年連続(1968~70年)
・出塁率:18年連続(1962~79年)
・長打率:11年連続(1964~74年)
・OPS:11年連続(1964~74年)

 こちらもどの記録を見ても圧倒されるが、最も長いのが四球と、その四球の数とも関連する出塁率の18年連続だ。どちらもリーグトップを記録した年も重なるが、通算22間プレーした現役の中で、最初の3年と引退をする最後のシーズンを除いては全てトップを維持したことになるのだから驚きだ。

 王氏と並び球史に残る大打者である落合博満が、ロッテから中日の移籍を挟みながら、四球数で連続リーグトップを記録したのは最長で8年(1984~91年)。出塁率も4年(1985~88年)が最も長い。同じく多くの歴代記録を持つ野村克也(南海ほか)は、四球数でリーグトップとなった経験はあるものの、連続でリーグ最多を記録したのは一度もない。最近の強打者でも、松井秀喜(巨人)が4度四球数でリーグトップを記録したが、連続したのは1997年からの2シーズンだけである。

 ホームランの連続タイトルも13年と長いが、仮に田淵幸一(阪神ほか)に阻止された1975年にも本塁打王となっていれば、その後の2シーズンを合わせて16年連続でホームランキングになっていたことになる。2位の野村氏も8年連続(1961~68年)というとてつもない記録が残っているが、それが霞んでしまうほどの凄さだ。

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