自粛中は健康管理もおろそかになりがち。そんな人におすすめなのが「孤食ロボット」(集英社)。
「人間臭いロボットがくれるのは、自炊や栄養管理の知識だけでなく、人との関わりでもたらされる心の健康。料理も試してみたくなるものばかり。物語が自分に寄り添ってくれるような温かみを感じます」(紀)
シェフが戦国時代にタイムスリップする「信長のシェフ」(芳文社)は、食材や道具が乏しいはずなのに、どれも美味しそうに見える。
「凄腕フレンチシェフが織田信長の料理人となり、腕と知識を武器に、戦乱を生き抜いていきます。歴史として知る戦国時代とは違った面が楽しめます」(今)
■その他イチ推し!
最後に、ジャンルを超えたイチ推し作品を聞いた。往来堂書店の三木さんは、野球好きにおすすめの「ドラフトキング」(集英社)。
「野球ができず、スカウトマンも頭を悩ませているはず。こんな状況でも新人選手の才能と人物を見抜き、キャリアに付き添い、責任を取らないといけない。そんな人間関係のドラマチックさが凝縮しています」
ジュンク堂書店の山口さんは、中学受験の世界を描いた「二月の勝者─絶対合格の教室─」(小学館)を紹介。
「学習参考書売り場での売れ行きがよく、リアルに描かれた作品。登場人物の塾講師の言うことを受験期に理解していれば、人生の選択肢に広がりが出たのかな」
紀伊國屋書店の山崎さんは、「諸星大二郎劇場 第2集 オリオンラジオの夜」(小学館)を挙げる。
「夜中に聴いていたラジオの曲に夢中になった記憶が蘇るような、懐かしさのある作品。60~70年代の名曲が登場し、曲を知る世代ならより一層味わい深いはず」
今野書店コミック担当チームは「よつばと!」(KADOKAWA)。5歳の女の子と“とーちゃん”を取り巻く日常を描いた作品だ。
「何気ない日常が面白いのは、大事に暮らしているのが伝わるよう丁寧に描かれているから。日々のかけがえのなさに気付かされます」
(ライター・吉川明子)
【「鬼滅の刃」だけじゃない!書店員おすすめマンガ「歴史、時代もの」「お仕事もの」「医療もの」「サスペンス、ミステリー」編へ続く】
※週刊朝日 2020年5月29日号より抜粋
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