


日々の新型コロナウイルス感染者数も減り、緊急事態宣言の全面解禁が近づいてきた。しかし、第2波の恐れもあり、今後も“お家時間”は増えそうだ。そこで充実した売り場で定評のある都内4書店のコミック担当者たちが、コロナの憂鬱を忘れさせてくれるようなおすすめマンガを紹介! 今回は「アクション、アドベンチャー」「グルメ」「その他」のジャンルです。
■アクション、アドベンチャー
閉塞感あふれる今の空気を吹き飛ばすには、こちらを。「ゴールデンカムイ」(集英社)は、痛快で先の読めない展開にハマる人続出。
「面白い要素がこれでもかと詰め込まれた、サバイバル歴史冒険マンガ。癖の強い登場人物、迫力あるバトルシーン、狩猟グルメ、暑苦しいくらいの熱量……。一言で言い表せないけど、とにかく面白い!」(紀伊國屋書店・山崎陽子さん、以下(紀))
38年前の作品ながら、2020年の東京オリンピック開催や伝染病の蔓延などが描かれ、SNSで「予言書か?」と話題なのが「AKIRA」(講談社)。
「マンガ家に多大な影響を与えた源流のような作品で、今改めて読む価値大。精緻な作画は画集のよう」(ジュンク堂書店・山口由香里さん、以下(ジ))
壮大なSFファンタジー叙事詩「ファイブスター物語」(KADOKAWA)もかなりの読み応えあり。
「設定の細かさ、登場人物の多様さなどじっくり読み込むには最適。連載開始前に作品世界の年表が公開されており、照らし合わせて読む面白さもあり」(今野書店・コミック担当チーム、以下(今))
壮大さといえば、やはり「火の鳥」(朝日新聞出版)も外せないだろう。
「読む時々によって受け止め方が変わる作品。今ならどう感じるか。火の鳥という永遠の象徴に対して自身の命の小ささ、運命への抗いや共存は生命賛歌のようでも、鼓舞されているようでもあります」(往来堂書店・三木雄太さん、以下(往))
■グルメ
読むだけで猛烈に食べたくなってくるのがグルメもの。「孤独のグルメ」(扶桑社)はドラマ化で有名に。
「どこかの町並みから物語が始まり、散策の中で見つけた飲食店での気取らない食事を見ていると、日常の貴重さを思い出させてくれる。一日も早い外食の機会が待ち遠しいです」(往)
山頂での料理を描いた「山と食欲と私」(新潮社)も自粛後の楽しみにしたい。
「自分でも実践したくなるアウトドア飯がたくさん出てくるので、簡単なものならベランダや庭で再現できそう。外出できないからこそ、アウトドア系マンガが息抜きになります」(ジ)