日経平均は3年4カ月ぶりに1万7千円を割り込んだ (c)朝日新聞社
日経平均は3年4カ月ぶりに1万7千円を割り込んだ (c)朝日新聞社
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 新型コロナウイルスの感染拡大から大荒れした株式市場。コロナショックは、証券マンの仕事にも大きな影響を与えている。どんな変化が起きているのか。業界に精通する4人が誌上座談会で語り合った。

■座談会参加メンバー
証券アナリストAさん/中堅証券会社の株式調査部部長。調査一筋で、幅広い兜町人脈を持つ。中小型、IPO(新規公開)株の分析に定評あり。証券マンの交流会も催しているが、現在は自粛中

ファンドマネジャーBさん/外資系投資銀行を経て、現在はプライベート・エクイティ・ファンドの運用担当者として活躍する。バリューやグロース株の運用に強みがあり、顧客の大半は海外

個人投資家Cさん/投資歴20年以上の大ベテラン兼業投資家。資産は2億円を超える。新興市場、IPO、高配当・優待株などへの投資を得意とするが、コロナ相場で資産は微減したという

金融ライターDさん/調査会社を経て、フリーランスに。セミナー講師などとしても活躍。ブルーチップから中小型株までをカバーする分析力と世界のマーケットを網羅した調査力に定評

*  *  *

──コロナ騒動で証券マンの仕事にはどんな変化が?

A:毎年、新卒社員の東証見学ツアーがあるのですが、それは中止になりましたね。私のいる調査部は、交代制で出勤してます。

B:私も週に1回しか出勤していない。コロナ相場では深夜でも日本株がよく動くので、家にいるのに寝れない日が続きました。

C:意外と自宅にいながらでもこなせるものなんですね?

B:専用端末は使えないけど、証券会社への注文などは問題なくできます。ただ、私が以前勤めた外資系も含めて、証券会社の仕事を完全リモート化できているところは少ない。機関投資家の注文をさばくホールセール部門の人たちは出勤しているようです。とはいえ、業務を1カ所でやると、感染者が出たら閉鎖となり注文をさばけなくなる。外資系証券は、担当者を2~3チームに分けて、オフィスも分散させて、一つのチームで感染者が出ても残りの部隊で業務をこなせるようにしています。外資系は特にリスク管理を徹底していて、有事に備えて、ほとんど使わない事務所をいくつも持っている。年1回ぐらいの頻度でシステム部門がパソコンのOSが正常に起動するかなどをチェックするんですけど、今回はそうやって押さえておいた事務所をホールセール用に提供してます。

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