むし歯や歯周病の治療を継続している人はもちろん、いったん、落ち着いてから定期的に歯の清掃をおこなう「メインテナンス」は歯周病においては治療の一環です。痛みがないからと放置してしまうと、取り除けなかったプラークから歯周病が再び起こり、顎の骨がさらに失われていきます。進行していくと外科治療が必要になり、最悪の場合には抜歯にいたるなど、たいへんな事態になることもあります。また、糖尿病など免疫力を下げる病気の中には、歯周病が重症化すると悪化しやすいものもあります。
さらに口の中が不衛生だと細菌性の肺炎になりやすく、ウイルス性の肺炎にかかるとダブルパンチで重症化しやすいことは以前から指摘されています。新型コロナウイルスに感染した場合も同じようになる危険性があります。
口の中をきれいにしておくことで新型コロナウイルスにかかっても、重症化のリスクを減らすことができます。
現在、歯科医院の多くは「新しい生活様式」にしたがって、さらに新型コロナウイルスの感染予防対策を徹底しています。患者さんの検温、うがい薬でのお口のこまめな消毒。患者さん同士の接触を避けるために予約人数を減らす、受付の防護シールド。デンタルチェアやドアノブの消毒……。
当院ではスタッフはマスクと眼鏡に加え、フェイスシールドを装着。手術帽に防護服を着用して治療をおこなっています(我ながらPCR検査ができるくらいの防御態勢だと思います)。
こうした感染対策は歯科医師のグループLINEで共有しています。いいものがあればすぐに教え合う体制になっています。
感染者を出さないよう、患者さんの協力も得ながら診療を続けていきたい、と歯科医師たちも切に願っているのです。