(写真はイメージです/photo AC)
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 牛乳、豆乳に次ぐ、“第3のミルク”として「アーモンドミルク」が注目されている。乳白色のため、牛乳が含まれていると思われがちだが、アーモンドと水からなる植物性飲料だ。実はヘルシーで手軽に栄養を取れる優れものらしい。

「なめらかな口当たりで、ほのかにアーモンドの香りがします。牛乳が苦手な人でも飲みやすく、カルボナーラなどにも合います」

 こう説明するのは、大学教授や医師らでつくる「アーモンドミルク研究会」。会によると、アーモンドミルクが日本の市場に登場したのは2013年。それ以降、一時的な流行として終わらず、市場規模は着実に拡大しており、19年の国内販売量は前年比で30%増だったという。

「もともと、『ビーガン』(完全菜食主義)の多いアメリカでよく飲まれています。ここ数年、日本でも健康意識の高い女性から好まれています」(同研究会)

 200ml当たりのカロリーを比較すると、アーモンドミルクが30カロリー(商品によって異なる)なのに対し、牛乳134カロリー、豆乳94カロリー。糖質も牛乳と豆乳より低く、コレステロールはゼロ(牛乳と豆乳は文部科学省調べ)。

 同研究会のメンバーでもあり、ナッツや油などについて多くの著作がある慶応義塾大学医学部の井上浩義教授は、アーモンドの栄養価の高さをこう評価する。

「ビタミンE、食物繊維、ミネラル、オレイン酸などが豊富に含まれ、茶色い薄皮にポリフェノールもあります。特に抗酸化作用のあるビタミンEは、シミ・シワの原因となる紫外線のダメージを内側から修復してくれるので、抗日焼け効果も期待できます」

 オレイン酸は、血中の悪玉コレステロールを減らす働きがあり、動脈硬化や心筋梗塞(こうそく)の予防にもなる。

 粒のままでもいいが、十分に咀嚼(そしゃく)ができない高齢者や子どもは、アーモンドミルクの方が、素早く栄養を吸収できるという。

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アーモンドは液状にすることで栄養の吸収率が上がる