21年卒の就活は「早期化」と言われていたが、コロナで「長期化」必至だ。写真はイメージ(gettyimages)
21年卒の就活は「早期化」と言われていたが、コロナで「長期化」必至だ。写真はイメージ(gettyimages)
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マイナビ・日経新聞調べ。2021年3月卒業見込みの大学生、大学院生が対象。調査期間は19年12月1日から20年3月20日まで(AERA 2020年6月8日号より)
マイナビ・日経新聞調べ。2021年3月卒業見込みの大学生、大学院生が対象。調査期間は19年12月1日から20年3月20日まで(AERA 2020年6月8日号より)

 新型コロナウイルスの影響は、就職活動のスケジュールの遅れとして表れている。早期化すると思われていた今年の就活は長期戦の様相を呈している。専門家たちはそんな2021年卒生の就活をどう見るのか。AERA 2020年6月8日号はコロナ禍の就活に迫った。

【ANA、ソニー、JTB‥就活生に人気の企業19社に聞いたコロナ禍の採用アンケートはこちら】

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 アエラは5月18~22日に、マイナビ・日経新聞の「21年卒 大学生就職企業人気ランキング(文系)」の上位20社にアンケートを実施。旅行大手のエイチ・アイ・エスは、「現時点で未定であり、不確定要素があることからアンケート取材を見送らせていただきたい」と回答がなかったが、ほかの19社のうち、採用人数を「当初の予定より減らす」は資生堂と近畿日本ツーリスト。「検討中・調整中」はJTBと日本航空(JAL、その後27日に「中断」に)、サントリーの3社。「中断」がANA。それ以外の13社は「予定通り」だった。

 ほとんどの企業で採用活動に新型コロナの影響が「出ている」と回答。オンライン化などの対応に追われている。

 また、採用活動のスケジュールについては14社が「予定通りに進んでいる」としたが、ニトリ、ソニーミュージックグループ、近畿日本ツーリストの3社が「遅らせている」と回答した。

■内定を得ていない学生にチャンスも

 企業の採用活動のスケジュールが繰り下がっていることを受けて、就活生が「3極化している」と指摘するのは、千葉商科大学准教授で働き方評論家の常見陽平さんだ。

「新型コロナの影響で就活生全員が苦労しているように見られがちだが、約半数の学生はすでに内定を得ている。インターンシップに参加していた学生や早めに活動を始めていた学生は早期に内定が出た一方で、『就活ルール』通りのスケジュールで3月からスタートすればいいと考えていた学生は出遅れ、選考が途中で足踏みして、長期化している。加えて、ほとんど活動できていないという学生も例年より増えている」

 21年卒の就活は「早期化」と言われていたが、「長期化」することに。でも逆に捉えれば、内定を得ていない学生にもチャンスはまだあるということだ。

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