政府は5月25日に、まだ緊急事態宣言が継続されていた首都圏の1都3県と北海道でも解除。選考解禁となる6月以降は、オンライン採用の流れに乗れずに採用活動をストップさせていた企業が本格的に活動を再開させる見通しだ。もともと6月以降は学生の内定辞退が増えるタイミングでもあるが、今年はどうなるのだろうか。
ディスコキャリタスリサーチの武井房子上席研究員はこう予測する。
「例年の就活では、面接の日程が重なって選考途中で学生が辞退することも多いのですが、オンライン面接では移動時間が必要ないため、複数の企業の選考を並行して進めている学生が例年よりも増えています。また、企業の採用担当者はそれまでの経験則も頼りに学生の志望度や入社意欲を見極めてきましたが、オンライン面接ではそうしたことを探りにくく、どの程度内定辞退が出るのか“歩留まり”を予測するのが難しい。内定を多めに出すのか、少なめに出すのか、判断に慎重になっている企業もあります」
マイナビHRリサーチ部の東郷こずえさんもこう指摘する。
「採用のオンライン化が進み、最終選考まで一度も会わずに内定が出るケースもありますが、企業の雰囲気がわからないことを不安に思う学生も少なくありません。採用活動も長期化が予想され、各企業は、例年以上に内定者へのフォローが必要になってきます」
(編集部・深澤友紀)
※AERA 2020年6月8日号より抜粋
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