


米戦闘機が撮影した「UFO」の動画が公開された。日本上空にUFOが現れたら政府はどう対応するのか。AERA 2020年6月15日号では、早稲田大学名誉教授で物理学者の大槻義彦氏教授が「UFO映像」についての見解を述べた。
【写真】日本UFO協会のメンバーが撮影した、大阪・道頓堀の上空を飛ぶ物体
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「もう間違いなく、どっかの星から来ている」
大阪在住のタレントで、日本UFO協会のミスターキャロ会長がそう興奮気味に話すのは、コロナ禍中の4月下旬、米国防総省が公開した3本の「謎の空中現象」の映像だ。その筋では、「UFOに間違いない」と話題になっている。
公開されたのは、戦闘機の赤外線カメラが捉えた約30秒~1分15秒の白黒映像計3本。1本は2004年11月、残りの2本は15年1月に撮影された。米海軍戦闘機のパイロットが撮影したものだ。
映像を再生すると、雲の上を何かが高速で移動する様子が確認される。15年の映像では、楕円形の物体が高速で上空を移動する様子が映っていて、物体が途中で回転を始めるとパイロットが「あれはなんだ! 回転しているぞ」と驚きの声を上げる様子が収められている。確かに、今まで見たことがない物体だ。もしかして……。
が、国防総省は声明で物体の正体は「未確認」と説明。この時期に公開したのは、「機密の暴露にはつながらず映像の信憑性や他の映像があるかなど、市民に誤解を与えないため」。
そんな映像をキャロ会長が「UFO」と断言するのは、その飛び方からだ。
「直線状に速いスピードでまっすぐ飛んで、飛びながらゆっくり旋回していく。あれは重力を制した飛び方なんです」
しかし、UFOとしてよく間違えられるプラズマも同じような動きをするとか?
「いいえ、プラズマだったらもっと動きが変化しています」
UFOとは英語の「Unidentified Flying Object」の頭文字を並べたもの。元々は文字どおり「未確認飛行物体」の意味だが、多くの人が抱くイメージは「空飛ぶ円盤」だろう。