玉川徹氏(左)、青木理氏
玉川徹氏(左)、青木理氏
(週刊朝日2020年6月19日号より)
(週刊朝日2020年6月19日号より)
(週刊朝日2020年6月19日号より)
(週刊朝日2020年6月19日号より)

 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、テレビは苦肉の策で「リモート出演」を取り入れている。雰囲気がガラッと変わった画面に映し出されるコメンテーターやタレントたちの姿を、視聴者はどう受け止めているのか。

【アンケート結果】リモート出演で信用できるコメンテーター 1位は誰?

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 本誌は5月中旬から6月上旬にかけ、テレビ番組のリモート出演についてウェブアンケートを実施。111人から回答を得た。

 その結果、リモート出演に満足しているかという問いに「満足」と答えたのはわずか16%。「まあまあ」と答えた中間派も48%いたが、「不満」は36%と「満足」の倍以上だった。何かしらしっくりこないと感じる人が多いようだ。

 一方で、視聴率は伸びている。ビデオリサーチ社によると、今年4月は前年同月を上回る視聴率(関東地区)で、特に正午から夕方6時までの間で10ポイント程度上昇していたという。

「在宅時間が長くなり、視聴率のベースが上がっていると思われます。よく見る番組ジャンルの調査では、『ニュース・報道番組』や『情報バラエティー』がトップ。コロナへの関心の高さがうかがえます」(ビデオリサーチ コーポレートコミュニケーション室)

 しかし、高視聴率の裏で、本誌のアンケートでは報道系の番組に出演するコメンテーターたちへの厳しい声が目立った。<コメンテーター間の緊張感が生じず、迫力不足><出演しなくてもいいような人はリモートにしてまで出なくてよい>といったものだ。元毎日放送プロデューサーで同志社女子大メディア創造学科教授の影山貴彦氏がこう語る。

「こうした災害時、最も安直に数字をとれるのが報道系の番組。専門家さえ押さえれば回っていくからです。一番の問題は、元々スタジオに呼ぶ必要も感じられないのに、わざわざリモートで出演させているようなコメンテーターが多い点。業界の慣行で、芸能プロダクションへの忖度が人選に影響している。中身のないコメントの薄っぺらさが視聴者に見透かされています」

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