漫画の2コマ目には、こうあります。PTA役員決めは「いろんな意味で(身も心も)、適切な社会的距離を保つ必要があるのではないだろうか」と。
いや、ほんとそうでしょう。
「えー、でもPTAってこんなもんじゃないの?」と思った人もいるかもしれません。あるやり方にどっぷり浸かってしまうと、おかしなことでも当たり前に思えてくるものです。
そんな人には、思い出してほしいのです。初めてPTAの役員決めの話を聞いて、「げっ、マジでそんなことする?」とドン引きした、あのときの衝撃を。
そう、あの日抱いた感覚こそが、おそらく一番正しいのです。
そもそも何がおかしいかって、各クラスや学年から「必ず何人出す」という役員決めの前提自体、圧倒的に間違っているのです。PTAはやりたい人がやるものなのに、そんな前提があったら、やりたくない人にもやらせざるを得ない。だから、友だちでも踏み込まないレベルまで、PTAはズカズカと踏み込むことになるのです。
学校全体で「これまでのやり方を見直す」機運が高まっている今こそ、クラス役員決めの前提から見直してほしい。そう、願っているのですが。
たとえば、なかにはこんな素敵な声もありました。
「コロナの影響で、今年度は役員決めをせず、都度ボランティアを募ることになったのよ。そしたら第一弾の活動にけっこう人が集まったみたい。これで良くない? てか、このほうが良くない?」
そのほうが、絶対いい……! そう思いませんか?
(文・大塚玲子)
●大塚玲子(おおつか・れいこ)/PTAや家族などをテーマに取材を続けるジャーナリスト。全国各地で行う講演会「PTAをけっこうラクにたのしくする方法」も好評。著書に『PTAがやっぱりコワい人のための本』など
●2コマでPTAを叫ぶ母/関西在住の主婦。子どもが通う学校でPTAの本部役員を引き受けた経験から、ブラックPTAを改革すべく自作マンガを日々ツイッター(@PTA_no_black)で発信中! ※内容は実体験に基づくフィクションです