PTA活動はなぜ強制参加? 非効率すぎ、変えられない・変わらない……そんなPTA問題の核心をズバリ表現する「2コマでPTAを叫ぶ母」さんのマンガを題材に、PTA問題に詳しいライター大塚玲子が解説します。第4回は「役員決め」について。
【PTA役員の“裏活動” P連イベント動員圧力は断っても平気?】
この春はコロナの影響でずいぶん休校が続きました。そのため、毎春恒例の「PTAクラス役員決め」を見送ったところや、保護者会で集まる代わりにメールで立候補を募って役員決めをしたところもあるようです。
でもなかには、4月7日に緊急事態宣言が出されたまさにその週、短縮実施された入学式の後の保護者会で、「例年通り」に役員決めをしたところも少なからずあったとか。
せっかく学校が、児童・生徒・保護者が密集する時間を少しでも減らすべく、列席者や式次第を見直して入学式を短くしたというのに、なんでその後に「PTA役員決め」をしてしまうのか。
学校は休校になっているんだから、役員決めが「不要不急」であることは誰の目にも明らかだったはず。それでもなお「例年通り」を踏襲せずにいられないところに、改めてPTAという団体の難しさ、というか思考停止っぷりを突きつけられた気がしました。
大体コロナをいったん横においても、いまのPTAクラス役員決め自体、相当おかしなものになっています。「できない」という人に「理由を言え」と命じて、見知らぬ人の前で個人的な事情を開示させたり。病気だという人に、医者の診断書を出すよう求めたり。
学年の全保護者の名簿を配布して「父・母、それぞれ1名ずつ推薦せよ」と指示したり。6年間何もせず卒業する人を許すまいと、各保護者(家庭)に役員履歴を書かせて提出させたり。果ては「ポイント制」を導入して、「全員必ずやらせること」に心血を注いだり。
そんなにないこととは思いますが、ひどい場合には、くじ引きで役員にあたって「できません」と断った保護者を、他の保護者が取り囲んで吊るし上げることも。さらに悪質なケースでは、校長先生が自ら保護者に電話をかけて、「あんたのお義父さん、俺よく知ってるんだよフフフ」(意訳)と脅した、などという話も実際にあります。
そんな団体、他にないでしょう……。いまどき友だちだって、そんなプライベートな部分に踏み込まないってば、というレベルで踏み込み過ぎです。