20世紀以降、長らく破られてないシーズン記録に目を向けると、ハック・ウィルソンの191打点(1930年)、ベーブ・ルースの177得点(1921年)、チーフ・ウィルソンの36三塁打(1912年)あたりか。比較的最近ではリッキー・ヘンダーソンの130盗塁(1982年)、ジョディ・デービスの89盗塁刺(1986年)なども、その後に近い数字を残した選手すら現れていない。

 続いては連続試合系の記録に移ろう。このジャンルで最も有名な記録はというと、やはりジョー・ディマジオが41年にマークした56試合連続安打とカル・リプケンJr.がキャリアを通じて残した2632試合連続出場だろう。特に後者は適度な休みを取りながらシーズンを過ごすのが主流の現代野球では連続出場に価値を見出す選手も少ないため、意識することもなくなりつつある記録と言えるかもしれない。

 この2人は長い期間を通じて連続記録を残したわけだが、たった2試合連続で歴史に不滅の記録を残したのがジョニー・バンダーミーアだ。1938年6月のビーズ(現ブレーブス)戦でノーヒットノーランを達成したバンダーミーアは、その4日後のドジャース戦でもノーヒットノーラン。2試合連続のノーヒットノーラン達成は、いまだに彼一人しか成し遂げていない。

 最後は通算記録。こちらで目立つのは打者よりも投手かもしれない。中4日のローテーションやリリーフとの分業制が確立した現代野球とは違い、かつてはエースが中1日や2日の短いスパンで完投するのが当たり前だったからだ。そんな過酷な時代を長く生き残った末に生まれたのが、サイ・ヤングの通算511勝。シーズン20勝前後が限界の現代では25年かけても到達できないと考えれば、これはもう絶対に破られることがない大記録だろう。

 登板試合と投球回数がかつてとは比べ物にならないことを思えば、ノーラン・ライアンの通算5714奪三振と2795与四球も不滅の最多記録に近い。サイ・ヤングの749完投、ウォルター・ジョンソンの110完封も、現代の常識では測れない途方もない記録だ。

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今年も大記録が間近の選手がいたが…