

アイドルグループを卒業して2年が経った北原里英さん。女優の仕事に全力で取り組みながら、大好きなのは“一致団結”。ここまでの道のりは、決して順風満帆ではなかった。北原さんの光と闇を振り返る。
一致団結するのが好きだという。小学生の頃は学芸会、中学校では合唱コンクールに体育祭。何か行事があるごとに、自分からアイデアを出し、率先してチームをまとめた。
「『これがやりたい!』って思うと、いてもたってもいられなくなるんです(笑)。小学校の時は、山田悠介さんの『リアル鬼ごっこ』というホラー小説をどうしても学芸会で上演したくて、自分で短いお話にまとめて、クラスの出し物として発表したこともありました」
当時は、“モーニング娘。”の全盛期。彼女自身も、キラキラやワクワクがたくさん詰まったテレビの世界に憧れた。お笑い番組にドラマに歌番組。目指すならアイドルが一番の近道かもしれないと思ったが、彼女は歌が苦手だった。
「小学生にしては、自分を客観視できていたほうかもしれません(笑)。漠然と、歌って踊るアイドルは、自分には無理だろうと思っていました。中学生になってからは、『不信のとき~ウーマン・ウォーズ~』という、米倉涼子さんと松下由樹さんが出演する、ドロドロの不倫ドラマにハマってしまって(笑)。ドラマを観た翌日に、仲のいい友達と、ドラマの再現ごっこをして遊んでいたんですよ。こんな楽しいことを仕事にできたら最高だなって思いました」
そこから、「将来は女優になりたい!」という思いを強くする。いくつもオーディションを受ける中で、AKB48に合格したのは2007年、彼女が高校1年生の時だ。その翌年に愛知県から上京した。
「AKB48に入る前は、正直、自分がアイドルになることに実感が持てなかったんです。自分の中に、アピールできるほどの可愛さなんて存在しないと思っていたから。でも、いざAKB48に入ってみると、“メンバー同士一致団結して夢を見る”ってことに、すごくワクワクさせられました。私が入った頃は、まだそこまでAKB48も世間に知られていなくて、グループとしての目標も無限にあった。歌や踊りも、得意ではなかったけれど、楽しかった」