池袋大谷クリニック院長の大谷義夫さんは呼吸器専門医の立場から、マスクを「正しく着用する」重要性について繰り返し説いてきた。
「ただし、コロナの流行当初とは状況が変わり、マスクがすべて、ではなくなっています」
2年前まではワクチンがなかった。1年数カ月前までは経口抗ウイルス薬が承認されていなかった。一転、1月27日の時点では、ワクチン3回接種完了者は全体の約7割、高齢者では9割に達し、経口抗ウイルス薬は3種類登場している。ワクチン接種者では、感染しても「肺が真っ白になり重症化」というケースがほとんどない。
「屋内の密な環境では、感染対策においてマスクは着用すべきです。しかし屋外の、これまでもマスクを外して問題ないとされていた環境では、5類になることで、人の目を気にせず、精神的に楽に外せるようになる。そう期待しています」
5類になったからと安易にマスクを取っ払えば、第9波に見舞われるかもしれない。5月以降は、マスクはどういう時に必要で、どういう時は必要でないか。それをしっかり認識し、判断することが求められる。(ライター・羽根田真智)
※AERA 2023年2月13日号より抜粋