永田さんは、LINE通話やFacebookのメッセンジャーで取材を受けることもある
永田さんは、LINE通話やFacebookのメッセンジャーで取材を受けることもある

【社会学者が考察 「あつ森」ブームに見る「集まれない時代の集まり方」】で、これからのコミュニティー作りのヒントを任天堂のゲームソフト「あつまれ どうぶつの森(通称:あつ森)」に見ていた、社会学者の永田夏来さん。今回は、オンラインコミュニケーションを語るうえで欠かせない、デジタルネーティブ世代(以下、デジタル世代)と、非デジタルネーティブ世代(以下、非デジタル世代)の認識差に触れつつ、オンラインコミュニケーションに対する感性を磨く方法について語ってもらいました。

【「あつ森」の自宅兼カフェで取材を受ける永田さん】

「会って話せばわかる」が通用しなくなった

 デジタルツールに触れたのは大人になってから、という非デジタル世代。今回のコロナ禍では、コミュニケーションの場が急きょオンラインに移行し、戸惑う人が多かった。しかし、非デジタル世代でも、オンラインコミュニケーション力を上げていく方法がいくらでもあると、永田さんは言う。

 コロナ禍でのコミュニケーションの変化は、「会って話せば、わかってもらえる」「手書きのほうが気持ちを伝えられる」など、非デジタル世代の常識を根底から覆しました。デジタル世代は極力会わないで済ませる、リモートで何とかする方法を自然と身につけているため、大きな抵抗はなかったのではないでしょうか。
 もちろん、対面でないとできないことはありますが、リモートでできることも、実は私たちの想像以上にたくさんあると思います。でも今までそういうことにチャレンジする機会がなかった人は、オンラインにおける「コミュニケーションの解像度」が低いように感じます。

zoomに映る自分の顔に耐えられない世代

「コミュニケーションの解像度」とは、コミュニケーションにおける配慮の細やかさ、のようなものです。たとえば解像度が低い人にありがちなのが、オンライン会議で本人も気づかぬまましかめっ面をしていること。でも対面ではそんな顔、しないですよね。オンラインであっても、相手に与える印象に配慮が必要なのは同じ。自然にうなずき、それが難しければいっそカメラをオフする。こうした配慮で「解像度を上げる」ことができそうです。

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「オンラインでできること」を軸にしていく