YouTubeで大切なのは、視聴者の視点になって動画をつくることです。これができない人が非常に多いのですが、仕事もプライベートも、相手の視点に立つことは一番大事です。
「好きなことで生きていく」という魅力的なキャッチフレーズとともに語られることの多いYouTuberです。このキャッチフレーズの影響か、自分の好きなことをしているように思われますが、実際は「(視聴者の)好きなことで生きていく」のがYouTuberです。
私は子供向けに動画を作るので、子供目線で考えます。地上80~100cmの高さから世界を見ると、地面が近くて空が遠く、目の高さに映るものが違います。外で動画を撮影する際は、中腰で撮ることが多いです。その方が、動画を見る子供たちが疑似体験できると考えるからです。
とくに息子が好きなものにはフォーカスし続けました。砂場、ダンゴムシ、アリ、道路の白い線、水たまりなど、どの子も必ず興味を示したり、その上を歩いたりするものです。大人から見るとなんの変哲もなかったり、何が面白いのかわからないことも多いです。息子に服を選ばせると、キツい原色の派手な柄やモチーフのものを選びます。キャラクターが大きく描いてあって、ママは選ばないタイプの服もありますが、外出先でその服を見た他の子がそのキャラクターの名前を叫んだりするので、子供には非常に魅力的に見えるんだなぁと思います。
最近取り組んでいるアニメの制作も、大人の視点を入れないように作っています。息子は小さい頃に戦隊ヒーローを見ていたのですが、身を乗り出して見るのは変身した後の戦うシーンからでした。ママの私は、変身前の人間ドラマや若い俳優さんたちを見るのも好きでしたが、息子は変身する時を今か今かと待っていたのです。番組の構成上、ヒーローが変身するのは開始10~15分あたりからでした。
私のアニメではヒーローは動画が始まって10秒以内に変身します。最初から変身して登場するキャラクターもいます。子供はストーリーの細かさよりも、変身した後のシーンを早く見たがるからです。
子供にとっての「高品質」の基準は独特です。あえて音質を悪くしたり、簡易的に作る部分もあります。5年以上0~7歳の男の子のマーケティングをした結果の、「相手の視点に立ったコンテンツ」です。